薬剤師の転職に年齢制限はある?
薬剤師の転職において、年齢制限はあるのでしょうか。
この疑問に対する答えですが、表向きは「No」です。
しかし、裏を返せば「Yes」となります。
まず、薬剤師の求人票をよく眺めてみると、特に小規模の薬局や病院・診療所においては年齢不問となっている施設が多いことに気が付くはずです。
それ以外のチェーン薬局や大病院等においても、定年に達していなければ可とされることが多いです。
反対に、年齢制限が設けられる薬剤師の求人もあります。
それは地方公務員や国家公務員の求人です。
国家公務員1種の薬剤師の場合、33歳までの年齢制限がありますし、保健所や県立病院などの地方公務員でも概ね30歳くらいまでの制限が設けられています。
これら例外的なものを除いては、薬剤師の転職において年齢はあまり関係ないと言えます。
ただし、これはあくまで求人票の上での話です。
本当に年齢は関係ない?
経営者の視点では、建て前上は年齢不問としていても、実際には年齢でふるいにかけられることが少なくありません。
中高年の薬剤師が雇用されにくい理由は大きく分けて3つあります。
1つ目は、年配の薬剤師は様々な職場や業務経験を積んでいることも多いですが、知識のアップデートができていなかったり、自分のやり方に固執して新しい職場の業務になじめないということは多々あります。
レセコンや調剤システムへの入力でパソコン作業が必要となることもありますが、中高年ではそれを苦手とする人も多いです。
2つ目は、健康上の不安があるということです。
今は持病が無かったとしても、数年のうちに何らかの疾病を発症して、予定通り出勤できなくなるというリスクがあります。
3つ目は、年齢を重ねた薬剤師ほど人件費がかかるということです。
今の保険システムでは新人の薬剤師が行う仕事とベテランの薬剤師が行う仕事に対する報酬に差はありません。
新人とベテランの仕事の質に大きな差があっても、調剤報酬上は全く同じなのです。
したがって、経営者は必然的に賃金が安くて済み長く働いてもらえる可能性の高い若い薬剤師を雇いたくなるのです。
転職の適齢期
数年前までは、特に地方においては薬剤師不足が叫ばれていました。
その頃はまだ中高年の転職も容易だったかもしれません。
しかし、現在は新設薬科大学の卒業者も増加傾向であり、地方においてもある程度薬剤師の充足が見受けられます。
したがって、現在は転職の適齢期というものが存在しています。
男性の場合、転職が容易な年齢は40歳くらいまでです。
40歳を過ぎると、結婚して子供もいることが多く、家計を支えるため一定以上の年収や待遇が必要となります。
管理経験があれば雇用者にとってはありがたいですが、一般薬剤師として40代男性を雇うくらいなら新卒薬剤師を低賃金で雇った方がメリットは大きいです。
女性の場合は、子育てが一段落した40代でパートとして復帰することがあります。
パートの場合コストが抑えられるため、男性とは逆に女性ではこの年代で雇用されやすいという特徴があります。
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