薬剤師の職場分類
平成24年に厚生労働省が実施した「医師・歯科医師・薬剤師調査」の概況によると、薬剤師が主に従事している業務の種別で一番多いのが薬局(54.6%)、次いで病院・診療所(18.8%)、3番目に医薬品関係企業(16.1%)となっています。
一口に薬剤師と言っても、業種や職場によっては業務形態が大きく異なります。
「なりたい薬剤師」を目指すためには、どのような職場においてどのような業務が行われているかを知ることが非常に大切です。
そこで、ここでは薬剤師の職場分類について述べていきます。
薬局の薬剤師
薬剤師の有資格者のうち半数強を占めます。
薬局は全国に5万件以上存在し、今やコンビニエンスストアよりも多いと言われています。
その多くが保険調剤を主に扱う調剤薬局です。
調剤薬局では医療機関で発行された処方箋を患者さんが持参し、それに基づいて医療用医薬品の調剤がおこなれます。
以前はいわゆる門前型の薬局がほとんどでしたが、最近では面分業の調剤薬局も散見されるようになり、OTCの取り扱いも多くなってきました。
医療用医薬品だけでなく一般用医薬品の知識も求められることが増えています。
また、患者さんのお宅を訪問して服薬指導を行ったり、副作用や効果のチェックをしたり、残薬整理などを行う薬局も増加しています。
病院・診療所の薬剤師
薬剤師の有資格者のうち、約5人に1人が病院・診療所の薬剤師です。
診療所では薬剤師の配置義務がないため薬剤師が在籍しない場合も多いですが、病院においてはほとんどの施設に薬剤師が勤務しています。
病院・診療所の薬剤師は業務内容が複雑なことが多いです。
基本的には入院患者さんの注射や内服の調剤や服薬指導を行いますが、加えて抗がん剤の調製や医薬品の血中濃度解析、医師や看護師などと共に行うチーム医療など様々です。
最近では、常に薬剤師を病棟に常駐させて副作用チェックや配薬、医療従事者からの相談応需などの病棟業務を行う病院も増えています。
医薬品関係企業の薬剤師
薬剤師の有資格者のうち、約6人に1人が医薬品関係企業の薬剤師です。
医薬品関係企業は製薬企業と医薬品販売業の2つに大別されます。
製薬企業においては、医薬品の前臨床における研究業務に携わったり、臨床開発職として臨床試験の管理・運営を行ったり、営業職(MR)として販売促進を行ったりと同じ業種でも多くの職種があります。
また、医薬品販売業においては、ドラッグストアで一般用医薬品の販売を行ったり、医薬品卸業者では備蓄医薬品の在庫や品質管理を行います。
次のページからは、各職場での薬剤師の仕事について、詳しく説明していきます。
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