患者さんとのコミュニケーションが必要
調剤薬局の仕事を一言で表現すると「謎解きゲーム」です。
処方箋には患者さんの保険情報に加え、処方薬と用法・用量、日数が記載されていますので、それを基にして調剤や服薬指導を行います。
しかし、十分な説明をするために不足している情報が2つあります。
患者さんの疾病情報
1つ目は患者さんの疾病情報です。
ほとんどの場合、来局される患者さんは医師によって疾病を診断された上で処方を受けます。
診断名はまれに書面を使って告知される場合もありますが、たいていは医師から患者さんに口頭で伝えられますので、調剤薬局では患者さんから診断名を聞き取ることがあります。
この理由は医薬品によっては様々な疾患に適応をもっている場合があり、適応により説明内容が異なるからです。
また、服薬指導を行う際に診断と結び付けて説明すると効果的な場合があるからです。
患者さんの診療情報
2つ目は患者さんの診療情報です。
診療情報の中でも特に重要なものは検査値になります。
例えば、採血による生化学検査や末梢血液像などの検査は疾病の診断に使われるだけでなく、お薬の効果がしっかり出ているか、または副作用が発現していないかを確認するという意味でも重要です。
医療機関においては、検査結果は患者さんに書面で提供されますので、調剤薬局では患者さんに検査結果の紙を見せていただけるようお願いする場合があります。
これは薬効や副作用の発現を、医師と薬剤師でダブルチェックするという意味で大切です。
また、これらの情報を患者さんにフィードバックでき、患者さんにとってもメリットがあります。
これら処方箋に記載されない不足情報は患者さんとのコミュニケーションによってのみ入手することができます。
そして安全・確実にお薬を使って頂くためには、いずれの情報も必要なものです。
しかし、患者さんにとっては「個人情報」にあたるため、情報提供を拒否される場合もあるかもしれません。
何よりも普段のコミュニケーションが鍵
患者さんに必要な情報を提供してもらうためには、常日頃から患者さんの思いに耳を傾け、信頼していただけるような仕事をしなければなりません。
「謎解きゲーム」を解く鍵は患者さんとのコミュニケーションというわけです。
最近では一部の大学病院で処方箋に検査値を記載するようになりました。
これは処方薬に応じて記載内容が変化し、主に副作用の発現に関わる数値のみを表記します。
調剤薬局における副作用の早期発見を促そうというものです。
このような取り組みもこれから広まることでしょう。
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