福祉施設での仕事
福祉施設のうち老人保健施設においては常勤の施設医を置くよう定められており、それに伴い薬剤師の配置義務があります。
そのため、老人保健施設においても薬剤師を募集していることがあります。
ただし、病床数300に対して薬剤師1名の配置となるため、中小規模の老人保健施設においては、ほとんどの場合パート勤務となります。
薬剤師の主な役割としては、医薬品の管理です。
老人保健施設とは
老人保健施設は介護保険上のサービスに位置付けられ、病気のために自宅やグループホームでは生活を送ることができない高齢者のリハビリテーションや看護を行い、在宅復帰を目指したりQOLを維持するための施設です。
長期療養のほか、ショートステイなどの社会的背景による入所(レスパイト)も受け入れます。
医師、薬剤師の他には、看護師や介護福祉士などの看護スタッフ、理学療法士や言語聴覚士などのリハビリスタッフや管理栄養士といった専門職種が働いています。
摂食嚥下機能が低下したために胃ろうを造設されたり経鼻胃管を挿入された利用者さんも入所しており、薬剤師の関わりが必要とされています。
老人保健施設の薬剤師の仕事
老人保健施設における薬剤師の主な業務内容としては医薬品管理を主体として、調剤、持参薬管理、服薬指導、剤形や投与経路など検討などがあります。
老人保健施設では週2〜4日などの勤務形態が多いため、薬剤師が出勤していない日も多くなります。
出勤していない日は医師や看護師が調剤室から医薬品を持ち出します。
そのため、出勤したらはじめに、処方箋を投薬済みのものと調剤未のものに整理し、その後調剤します。
次に医薬品の在庫状況から発注計画を立てます。
老人保健施設における医薬品の使用は出来高ではなく包括となるため、定期服用薬においては持参薬を使用することが多く、その管理や採用薬の切り替え時の処方検討を行います。
また、後発品の導入を任されることもあります。
また、利用者さんの病状を見ながら、施設医や看護師、リハビリスタッフと連携して薬学的管理を行うこともあります。
病院に併設されている老人保健施設
老人保健施設が病院に併設されている場合、形式上は薬剤師を配置しますが、おおむね病院薬剤部がその業務を担い、病院の業務の合間で老人保健施設の調剤などを行います。
通常は老人保健施設用の医薬品の在庫と病院用の在庫を分けて管理しますが、在庫を一括にして薬剤部で調剤した分のみを老人保健施設に譲渡する方式をとることもあります。
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