大規模病院のメリット・デメリット

大規模病院の病院薬剤師の仕事

大規模病院とは、500床以上の病床を持つ病院のことをいいます。大学病院や地域の中核病院であることがほとんどです。

 

大規模病院における薬剤師数は少なくても20名、多いところでは100名以上が勤務している場合もあります。

 

薬剤師数は多いですが、業務内容も多岐にわたりボリュームもあるため、常に人手不足となっている病院もあります。

 

大規模病院の薬剤部の一番の特徴としては、薬剤部内での業務分担があり、調剤、製剤、化学療法、病棟業務、TDM、医薬品情報など、特定の業務を専ら行うということです。

 

担当業務は半年から数年単位でローテーションされます。

 

一般的には、大規模病院に就職を希望する薬剤師は多く、実際の就職活動においてはやや「狭き門」となっています。

 

大規模病院で働くメリット

 

大規模病院の薬剤師として働くメリットは大きく分けて2つあります。

 

まず、1つ目のメリットとしては、特定の分野において専門的な知識を身に着けられるということです。

 

たとえば、化学療法担当であれば1日のうちのほとんどを抗癌剤調整やレジメン監査、外来患者さんへの指導などにあてられます。

 

また、病棟担当であれば入院患者の持参薬の鑑別、服薬指導、他職種とのカンファレンス、医師への処方支援などの病棟における業務を常に行います。

 

毎日同じ業務を行うため、自然とその分野に詳しくなるというわけです。

 

薬学会や医療薬学会などの学会においても、大規模病院の薬剤師が研究発表される例が多く、専門薬剤師の保有者数も多い傾向にあります。

 

2つ目のメリットとしては治験や臨床試験に関わることができることです。

 

最近は、専門分野に特化しており被験者が一定数確保できる大規模病院において、治験や臨床試験が行われる傾向にあります。

 

薬剤部が治験事務局を兼ねていることも多いため、発売前の新薬の効果や副作用などを学ぶことができます。

 

大規模病院で働くデメリット

 

大規模病院では担当業務を専ら行い、半年から数年ごとにローテーションされます。

 

大規模病院で働く1つ目のデメリットは、薬剤部内の業務をすべて習得するのに時間がかかるということです。

 

最低でも5年、長ければ10年以上の年月を要します。

 

そのため、薬剤部内の業務の全体像が見えにくいということです。

 

就職して1〜2年は調剤室で調剤したり、薬品管理係として医薬品の発注や検品にあたる日々が続きます。

 

自分の仕事が最終的に患者さんの役に立っているという実感が湧かないと感じることもあり、その時点で退職してしまう薬剤師もいます。

 

2つ目のデメリットとしては薬剤師の24時間体制を採用している病院が多く、日祝日の出勤や夜勤もあり、やや生活が不規則になるということです。

 

ただし、託児所も24時間体制となっている場合があり、小さなお子さんがいる職員に配慮した病院も多くなっています。

 

まとめ

 

まとめると、大規模病院では、ある特定の分野に精通した薬剤師を目指すのであれば、就職先として適しています。

 

専門知識を習得後に調剤薬局や中規模病院に転職する薬剤師もおり、ある意味「通過点」のような存在とも言えます。

 

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