ドラッグストアとの違い
ドラッグストアと調剤薬局との決定的な違いは、大きく分けて3つあります。その3つを順に説明しますね。
(1)商品の違い
1つ目は「商品」の違いです。
調剤薬局で主に取り扱うのは「医療用医薬品」です。
医療用医薬品は医師の処方が無ければ販売ができないため、調剤薬局にとって処方箋は一種の生命線となります。
一般用医薬品や介護用品、健康食品を取り扱う場合もありますが、売り上げの大半は保険調剤によるものです。
一方、ドラッグストアで主に取り扱うのは「一般用医薬品」です。
また、健康食品や介護用品、日用品、食品など様々な商品の取り扱いがあります。
一部のドラッグストアでは保険調剤も行われていますが、主な売り上げは一般用医薬品やその他の商品の販売によるものです。
(2)顧客の違い
2つ目は「顧客」の違いです。
調剤薬局に来局される顧客は、医療機関を受診され何らかの病気を診断された「患者さん」です。
したがって、調剤薬局では病気の診断ありきで調剤が行われます。
また、医師が薬を処方するため、薬剤師の仕事は処方を考えるのではなく処方を監査するということになります。
一方、ドラッグストアの顧客は医療機関で病気を診断されていないため、「患者さん」ではなく「お客様」です。
体調が悪いため薬の購入を相談のためにお見えになる方もいますが、健康食品や日用品をお買い求めになる場合も多いでしょう。
薬の購入相談では、症状からどんな病気かを予想して、その症状に合った薬を勧める必要があります。
よって、ドラッグストアでは処方を監査するのではなく処方を考えるという点で業務内容が異なります。
(3)事業形態の違い
3つ目は「事業形態」の違いです。
調剤薬局は医療法において医療提供施設と位置づけられ、医療提供の義務があることが明文化されています。
つまり利益の追求だけでなく、患者さんの健康に貢献する義務を負っていることになります。
調剤薬局の中にはNPO(非営利団体)を謳っているところも少なくありません。
一方、ドラッグストアは医療提供施設の位置づけはありません。
営利企業であることは間違いないですが、利益だけでなくお客様の健康に貢献するという理念を掲げているところがほとんどです。
調剤薬局だけでなくドラッグストアにおける業務も体験できれば、薬剤師としての経験値はグーンと上昇し、キャリアや転職を考える際の幅も広がるでしょう。
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